外出自粛時に読みたい京都検定3分コラム
塩原直美の「学習帖落書きコラム」(第1回:国語①)
皆様、こんにちは!お久しぶりです!初めましての方もおられますね。皆様、お元気でしょうか?自粛により在宅時間が増え、京都検定の勉強は進んでおられることと思います。
さて昨年から東京会場で開催している「京都の学習帖」。受講者様もそうでない方もお楽しみいただける「学習帖の落書きコラム」を配信いたします。授業中、ノートの端に絵や文字、パラパラ漫画などを書いてサボっていたので、そのイメージで気楽なコラムをお届けします。まず講義「学習帖」は簡単に言うと、公式テキストを科目で分けて勉強しよう!というコンセプト。全て「京都の歴史・文化・観光」なのですが、あえて国語・算数・理科・社会と捉え、アプローチしていきます。覚えにくい丸暗記でなく、「忘れにくくして覚える」手段の1つです。
コラム1回目は「国語」の時間から。歌道、歌碑、日記、連歌、俳句、物語、随筆、国学などの項目で学びました。その中で「明月記」(冷泉家所蔵・国宝)に注目します。「明月記」は藤原定家(1162~1241年)の18~74歳までの日記。3日坊主の私には考えられない長さ...。好きな庭の話、27人の子供のことなど日々の喜怒哀楽が記されています。歌人としての活躍、そして冷泉家、ゆかりのスポットも重要ですが、違う側面で定家にアプローチします。
「明月記」には後に「かに星雲」として知られる超新星の記録含め、日食、月食などの天文の記述もあります。望遠鏡のない時代の天文記録として大変貴重で、2019年新設の「日本天文遺産」にも認定されました。鎌倉時代の歌人・公家が残した日記が日本、そして世界の多くの天文学者が知っている、スゴくカッコいいですね。そして胸が熱くなるのは、直筆の「明月記」を伝え続けた「冷泉家」。天災も戦乱もある中で奇跡です。ということで「明月記」は「国語」だけでなく「天文学」として捉えると「理科」にも絡んだキーワードとなります。
先日、今年の「スーパームーン」でしたね。空を見上げ、その見事な満月に「明月記」を思い出し、定家も「いつもより大きいな」と気が付いたかな?と...。この難局を、ひととき忘れ、心穏やかになりました。「定家、サンキュ♪」。
・・・講師プロフィール:塩原直美
(画像:愛宕街道沿いにある「慈眼堂」には定家の念持仏が安置)