外出自粛時に読みたい京都検定3分コラム

塩原直美の「学習帖落書きコラム」(第4回:理科②)

皆様、いかがお過ごしでしょうか?家の窓から見える木々が若葉となり"初夏"を感じるような陽気になりました。今年はフジ、サツキ、ツツジ、ヤマブキ、カキツバタにアヤメも開花が早いですね...でも今は名所に行けない...そこで絵の好きな私は花や風景を画題としている絵画の中に季節を探しています。
展覧会のあの分厚い「図録」、少々高額で持ち帰りも重かったのですが、今回は「図録」に心が救われています。季節の花や風景の絵を探しつつ、当然、全ページ鑑賞することになります。今は美術館や博物館も閉館中ゆえ、「美」に飢えている我が心身がとても潤います。大好きな絵のある「図録」は思わず抱きしめちゃいます。京都検定的にも「美術」の学習となり、心も豊かになり、一石二鳥。ちなみに私が気に入っている図録は「琳派」と「狩野山雪・山楽」そして若冲・応挙・蕪村・大雅の各絵師の図録群です。

さて4回目、そんな「図録」にも関連し「理科」。3回目は植物だったので今回は生物から動物の「トラ」を意識してみます。「トラ」沢山ありますね。「美術」で言えば「龍虎図」や「竹虎図」という画題で多くあります。講義で挙げた「トラ」は、報恩寺・寅薬師・鞍馬寺・法輪寺(西京区)・各所の毘沙門堂・清水寺灯籠・「虎の子渡し」の各庭・「虎の間」のある寺や城・虎拳・トラりん...など。それぞれの「トラ」イメージできますね。前回の1級の200字に「トラりん」が出題され、びっくり!記憶に新しいかと。「琳派」の図録には京都国立博物館所蔵の「竹虎図」(重文)が載っています。描いたのは江戸時代の絵師・尾形光琳。実際のトラを見ていないためか、猫のような愛らしいトラが墨で描かれています。このトラがモチーフとなっているのが京博の公式キャラクター「トラりん」という訳です(トラりんのプロフィールは公式HPをご参照、17日より「トラりんYouTubeチャンネル」スタート)。
「トラ」と言えば岸派ですが、岸派以外でも多くの絵師が描いているので見比べも楽しく、お好みの「トラ」をお探しください。ちなみに龍と対で描かれ構図もカッコいい「龍虎図」ですが、中国の「易経」に由来しています。雲を呼ぶ龍、風を呼ぶ虎が勇壮で縁起が良く、室町時代頃から人気の画題だったそうです。若冲や芦雪のトラも素晴らしい...でも私は「トラりん」がLOVEリン♡




・・・講師プロフィール:塩原直美


(画像:「外出しないリン、頑張リン!」直美画伯筆)

 

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