外出自粛時に読みたい京都検定3分コラム

塩原直美の「学習帖落書きコラム」(第10回:給食)

皆様、お変わりございませんか?陽気も「初夏」を感じる暑い日も増えてきましたね。熱中症や冷たい物の食べ過ぎにもお気をつけください。
さて最近のニュースから。
文献上にはあるけれど遺構が未確認だった「京都新城」。豊臣秀吉、最後の城と言われるその城の石垣と金箔瓦が先日、仙洞御所内の調査で見つかりました。歴史学上のBIGニュース!京都新聞のみならず、全国紙の一面、テレビのニュースでも大きく報道されました。「まだまだ(京都の)土の中にはロマンがあるな~」と久しぶりに心の灯がポッと点いて温かな気持ちになりました。毎年、このような「土の中からのお知らせ」、実は結構あります。調査がなされれば、何らかの発見や新しい謎、仮説が出てきます。毎年開催している「トピックス」の講演会では時間に限りがあるので、割愛している考古学的ニュースが実は多いのです。今年はコロナ関連のニュースばかりで取り上げる観光・文化・歴史ニュースが少なめかもしれません。でも、だからこそ1つ1つのニュースの詳細をいつもより深めにお伝えできるかもしれない。それは、それでチャンスかなと考えています。それにしても今回の「京都新城」の推定範囲の広いこと、広いこと!「おね」さんが住まわれ、秀頼が元服した城、改めて秀吉のダイナミックさを知りました...アッパレ!

さて10回目は楽しい「給食」の時間にしましょう。懐かしいですね「給食」。当番の時は皆の分を鍋から各皿によそったりしましたね。好物のメニューはお替わりしました...私は好き嫌いがなかったので楽しい思い出しかありません。皆様は?
さて、講義では残念ながら食べません。京野菜、京料理、食と祭、食文化に関するスポットを取り上げる予定です。波状して市場、特産物、歴史上の人物の好物まで広げられたら理想的ですが...。
冒頭で秀吉に触れたので、秀吉の食に関して少し紹介します。仕官するまでは麦や粟、芋が主で粗食だった秀吉ですが、天下を取った全盛期の頃の献立は贅沢で優雅で超豪華。アワビ、エビ、コイ、ツル、ハクチョウ、タイ、ヒバリなどなど、多彩な食材が記録に残っています。時には家臣から献上された食材、トラの肉、クジラ汁なども食したようです。「トラ」食べていたのですね(冷汗)。そんな秀吉ですが生涯の好物は「ダイコン・ゴボウ」。晩年に好んだのは「割粥」。米粒を割っているので食べやすく消化も良かったとのこと。「ダイコン・ゴボウ」がお好きとは共感、根野菜は美味しいですよね。やはり幼いころから食べ親しんでいた食が生涯「一番、旨い!」のかもしれません。晩年はお粥か...天下人も人間だなあ、加齢と共に胃に優しい食ですね。私も最近「カツカレー」や「ラーメンに半チャーハン」が辛くなってきました...。では、また次回。ごちそうさまでした...合掌。



・・・講師プロフィール:塩原直美


(画像:豊国神社 秀吉像)

 

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